月経不順が心配な患者さまへ
こんな心配ありませんか?
月経が毎月規則正しく来ない(月経不順)、月に2回も月経が来る、頻回に出血するなどの症状があるため、妊娠できないのではとご心配されていませんか?
このページではそのような不安にお答えします。
正常な月経周期とは
- 月経が始まった日から次の月経が始まる日までの間隔(月経周期)が「25~38日」であれば正常
- 排卵が規則正しい→「月経が規則正しく来る」
- 排卵が不規則→「月経不順」
排卵が規則正しく発来すると月経も規則正しく来ます。言い換えれば、月経不順の患者さんは「排卵が不規則なので、月経も不規則になっている」となります。

妊娠のために排卵日を知る
妊娠するためには排卵日に性交を持たなければなりません。 そして排卵日に性交を持つことを「タイミング合わせ」といいます。
排卵が規則正しい方は、ご自身の排卵日を把握されていると思いますので、タイミング合わせがやりやすくなります。
普段から週に2~3回タイミングを持つことが大切
- 月経不順=妊娠しづらいとは限りません
月経不順の方はどうでしょうか?月経不順だと妊娠しづらいと勘違いされていませんか?
しかしそのようなことはありません。月経不順の方であっても自然排卵がある方はたくさんいらっしゃいます。確かにご自身の排卵日を把握しづらい点は否めませんが、「タイミング」を多めに持つことでそれをカバーすることができます。
つまり、いつ排卵が起こっても良いように、普段から週に2~3回タイミングを持つことがコツとなります。
- 月経不順に悩まれている方はご相談ください
月経が不順だと心配は尽きませんね。下記のような場合はまずは相談がてら受診していただいてもいいと思います。
- 月経が不順なのでやっぱり心配
- 排卵があるのかどうか確認したい
- タイミングを指導して欲しい
排卵や月経が不規則になる理由
「多嚢胞性卵巣」が原因
答えは、そのほとんどの患者さんが「多嚢胞性卵巣」というタイプの卵巣を持っていらっしゃるからです。
多嚢胞性卵巣は病気ではありません。持って生まれた体質です。ですから治療や生活で変えられるものではありませんし、ある意味一生お付き合いしていくものです。
よく、「月経不順なので体質を改善したい」と患者さんはおっしゃいますが、残念ながらそれは難しいとお考えください。
多嚢胞性卵巣は生きていく上で何も支障はありません。しかしながら、上記で述べたように、「排卵」に関しては、私たち産婦人科医のサポートが必要になることがあります。
受診後の方針
受診された後、「排卵が無い月経不順」・「排卵がたまにしか起こらない月経不順」と診断された方には、排卵誘発剤(排卵を規則正しくするための薬)を使用した方が良い場合があります。
排卵誘発薬について
- 当院では様々な選択肢を用意しています。
一般的に広く使用されている排卵誘発剤には下記のものがあります。
- 内服薬:クロミッド
- 注射薬:hMG製剤やFSH製剤
これらの薬剤は排卵障害の患者さんに非常に有効で、当院でも使用頻度の高いお薬です。これらのお薬で妊娠していただけたらもちろんいいのですが、残念ながらこれらのお薬では排卵しない、妊娠されない場合もあります。
- 上記のお薬では排卵しない、妊娠されない場合
この様な場合でも妊活専門医療機関だからこそ使用できる排卵誘発剤として下記のものがあります。
- 内服薬:フェマーラ
- 注射薬:ゴナール(自己注射による排卵誘発剤)
当院ではこのような専門的なお薬を使用することで排卵を安定させ、妊娠していただけるように対応することが可能です。
月経不順の方が妊娠するために私たち産婦人科医におまかせください
- まずは自分たちで多めにタイミングをとってみる
- 6ヵ月程度経過しても妊娠にいたらない場合は受診をする
- 排卵の有無を診察し、場合により排卵誘発薬を使用することもある
月経不順の患者さんはほとんどの方がご妊娠されますので、あまり心配はいりません。
どうぞご安心の上、私たち産婦人科医にご相談ください。
